雨のなかの男

ハモンハモンの雨のなかの男のレビュー・感想・評価

ハモンハモン(1992年製作の映画)
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U-NEXTで。この映画を観終わってからGoogleで「獣 意味」と獣に関する言葉を検索。自分の語彙にないこの妙な違和感に囲いをつけて形づけたく、ようやっと見つけた言葉は「獣欲」。動物的な欲望や性欲のことを言うそう。そうか、これだ。親だろうが子供の結婚相手だろうが見境なく欲情する彼ら彼女らを、ロマンチックに愛の類の言葉で表現するにはあまりにも獣臭い。場所を弁えることもしない。劇中の豚、牛、野良犬たちはこの獣性の象徴なのかもしれない。しかしそれだけ言うとお下品極まりないように見えるが、ペネロペ・クルスとハビエル・バルデムの肉体がとにかく美しい。二人とも若い。美しい。画になるのよ。最後は雄同士の沽券をかけた闘争が繰り広げられるのだけども、文字通り「肉の棒」を使う所が露骨で面白い。この戦いの果てに最後に立っていた男(雄)は誰だったのか。打ちひしがれる男たちの中で最後に唯一立っていた男の存在が強烈に印象的だった。結局、情や慈悲を持ち合わせない獣のような男がやはり最強なのかもしれない。
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