Horace

007/黄金銃を持つ男のHoraceのレビュー・感想・評価

007/黄金銃を持つ男(1974年製作の映画)
2.3
45点

冒頭では、これまでの定石を覆す歓迎すべき筋書きが始まる。世界的なテロリストの代わりに、ボンドと同等の知性を持つ暗殺者に焦点を当てたのだ。クリストファー・リー(スカラマンガ役)が悪役を完璧に演じており、この映画を見る価値がある理由になっているが、ロジャー・ムーアは、スカラマンガのライバルの殺し屋というよりは恋人のような存在で、ボンドが脅かされるシーンはらしくないと感じたので、この映画の人選は間違っていたかもしれません。

この映画のエンディングは、2人の暗殺者の決闘できっちりと物事を締めくくるのだが、映画の中盤のほとんどは、適当なギャグとチェイスシーンと相撲とカンフーで埋め尽くされているだけだった。方向性が定まらない映画だった。ストーリーを練り込むか、30分ほどカットしてショートフィルムにすればよかったのに。ボンドガール(メリー・グッドナイト役のブリット・エクランド)が、ただおっちょこちょいで半裸でいるだけの存在なのも痛い。この映画は、可能性を無駄にした、まさに悲劇である。
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