KH

キッドのKHのレビュー・感想・評価

キッド(1921年製作の映画)
4.5
時代的にも本当はもっとシビアな世界なんだろうけど、それをあえて喜劇にするチャップリンが大好き。得意の謎の反射神経に今回も笑った。
チャーリーみたいなちょっと間抜けで優しい(落語でいう与太郎みたいな)人たちも共に生きていける社会が1番理想的なんだろうなと思う。
イタリア映画の名作「自転車泥棒」や最近だと是枝監督の「万引き家族」など後の作品にも大きな影響を持つ今作に共通するのは、社会に踊らされる大人たちに対し無垢な子供の目線を向けることで、そのコントラストを強調している所だと思う。
チャップリンの映画は「街の灯」の盲目の女性もそうだし、今作だと子を捨てて後に大スターになった女性もそうだけど、無垢な子供やチャップリンと比較して、無意識の傲慢さが描かれているような気がする。
KH

KH