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ザ・ウォード/監禁病棟のRのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ウォード/監禁病棟(2010年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2010年のアメリカの作品。

監督は「遊星からの物体X」のジョン・カーペンター。

あらすじ

放火の疑いをかけられ、そのまま精神病院に監禁されてしまったクリステン(アンバー・ハード「ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット」)。そこには他に4人の同年代の女性が監禁されていたが、何者かに襲われて、1人また1人と姿を消していく…。

U-NEXTにて。

ご存知ホラー界の巨匠ジョン・カーペンターのこれが「今のところ」最新作。

失礼ながら、てっきり亡くなったと思っていたんだけど、どうやらまだまだご存命なようで、となるとまだ最新作を観られるチャンスがあるわけだ。

お話はあらすじの通り、監督お得意のホラーにミステリーとスリラー要素が塗されたような内容となっている。

主演はもはやジョニデの元奥さんにして、泥沼裁判で完全に「悪女」のイメージが染み付いてしまったアンバー・ハードということで、それだけでちょっとモチベは下がるわけだが、それを抜きにしても、他の女性キャラが魅力的。

ハード演じるクリステンは冒頭から精神病棟に半ば強制的に入院させられるんだけど、そこではエキセントリックなエミリー(メイミー・ガマー「邪悪は宿る/セパレーション 魔物の棲む家」)、高飛車なサラ(ダニエル・パナ・ベイカー「タイムシャッフル」)、メガネっ子の優等生アイリス(リンジー・フォンセカ「アフター・ザ ・レイプ-判決の行方-」)、ロリのゾーイ(ローラ・リー)がいて、割と個性豊かなんだけど、前半はそんな彼女たちが関係性を築きながら、時にはぶつかったり、時には音楽をみんなで楽しんだりとまるで女子校のようなノリで描かれていて、これをカーペンターが撮ってると思うと面白い。

つーか、精神病棟×女子グループという点でザック・スナイダーの「エンジェル・ウォーズ」を想起させる。スナイダーは今作も参考にしたのかな?

で、中盤からは昔、この病院で亡くなったアリス(ミカ・ブーレム「警察署長ジェッシイ・ストーン 訣別の朝」)が怨霊となって彼女たちに襲いかかるんだけど、アリスの造形もまるで「死霊のはらわた」のようなゾンビとは少々異なる幽霊感があって、なかなか怖くて、そんなアリスによって1人また1人と殺されて消えていく。

描写こそそこまで直接的なグロはないものの、特に中盤の電気ショックビリビリのくだりとか割とたっぷりと尺を使って生き絶えるまでを描いていて悪趣味だなぁw

で、そんなアリスの正体とは?なぜクリステンたちは記憶を失っているのか?そもそもなぜ彼女たちは病院に入れられているのか?と謎が謎を呼ぶ展開の連続でそこまで退屈しないで観れるんだけど、種明かしがわかってしまうと、あぁ〜そういう展開ね〜、あるある〜。とそこまで意外性のないオチだった。

つーかこの手のどんでん返し、結構あるよな。カーペンターならもっと驚きの展開を描いてくれると期待していただけに少々残念。

ただ、最後の最後の「あれ」はなんかもうやけくそ感というか、とりあえずぶち込んで最後に観客に一泡吹かせてやれ!という監督の悪ノリというか悪戯心が伝わるラストで印象的だったかなw

そんな感じでこれが最後の作品だと思うと少々残尿感が残る感じなので、まだまだ現役のカーペンター、ダリオ・アルジェントが久しぶりに「ダークグラス」で復帰したように、いつかまたその作品をスクリーンで観れる日が来るといいな。
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