サマータイムブルース

テトロ 過去を殺した男のサマータイムブルースのレビュー・感想・評価

テトロ 過去を殺した男(2009年製作の映画)
3.5
スケベな爺さんのお話

この映画の始まり方ホント好き、一気に引き込まれる

フランシス・フォード・コッポラ監督と、ヴィンセント・ギャロさんて、なんか、異質な組み合わせします
もともとこの役はマット・ディロンさんの予定だったとか
個人的にはマットさんの方がこの役には合ってたかな、という気がしました 

コッポラ監督キャリア後期の、「コッポラの胡蝶の夢」の次の作品
「ゴッドファーザー」や「地獄の黙示録」が華やかだったのに対して、とても小規模な仕上がりとなっております
静かな、家族の物語です

簡単なあらすじ
海軍のクルーズ船で働くベニー(オールディン・エアエンライクさん)は、船が一週間の予定でブエノスアイレスに寄港した際に、かつて行方不明となっていた兄のアンジー(ヴィンセント・ギャロさん)の元を訪ねます
そこでアンジーは恋人のミランダと共に、名前をテトロと変えて暮らしていました
テトロは作家志望で、かつての自分のことを書いた小説を自宅に保管していました
それをベニーは読んでしまい・・・

コレはネタバレ厳禁ですね
レビュー拝見してると、途中で分かったという方もいるみたいですけど、鈍い私は気づけず
そういえば思い返すとあのシーン、伏線だったんだな・・・、なんてのもチラホラ

現在の出来事がモノクロで、過去がカラーで表現されています
普通逆だと思うのですが、何か意図があるのかもしれません
時々差し込まれる寸劇がユニーク
舞台がアルゼンチン、ブエノスアイレスなので、周りの友達とか、出てくる人たちがみな陽気で楽しい
挨拶がわりにみんなチュッチュ、チュッチュしてます

オールディン・エアエンライクさんは若い頃のディカプリオさんに面影が似ているイケメン
18歳の童貞という役柄
発表会にみんなでクルマで向かった際に立ち寄ったホテルで、女子2人と全裸で入浴してはしゃぐシーンは、オイオイ、と思ってしまいました、メチャ楽しそう

まあ、オチがそこまで衝撃的!!とかではなかったので、そんなに引きずるものなのかな、という気はしました
ただ、それは映画的に、劇的なシーンがなかっただけで、当人にとっては人生を変えるほどのことなのかもしれません

正直、父親の葬儀以降のパートはなかった方が良かったかな、余韻を残した終わり方が好きです

ヴィンセント・ギャロさんは相変わらずの男前で色気を噴出しておりました