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愛の果てへの旅のchiyoのレビュー・感想・評価

愛の果てへの旅(2004年製作の映画)
4.0
2023/8/18
イタリア映画祭2023の過去作オンライン配信。スイスのホテルで優雅に暮らす、イタリア人のジローラモ。冒頭の動く歩道のシーンだけで、本作がゆったりとした作品であることが分かる。が、約20年前の作品でも映像がスタイリッシュで、ジローラモ演じるトニ・セルヴィッロがとにかく渋い。口数が少なくても陰気には見えず、感情が見えない表情は逆に味となる。そして、徐々に見えてくるジローラモの実情。これまで生きながら死んでいた彼は、予想外に他者が気に掛けてくれていることを知り、少しずつ変わっていく。恋愛に不器用なところはご愛嬌で、彼女が来られなかった理由を分かっていたのかどうかが気になるところ。また、ラストが印象的な1本になったことは間違いなく、これまでとは逆に彼は死して生きたのだと思いたい。
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