ゆうゆ

ルルドの泉でのゆうゆのレビュー・感想・評価

ルルドの泉で(2009年製作の映画)
4.1

ルルドの泉にお参りにきた身体不自由な女性におこる奇跡の話。
同じように何かを患って縋るような気持ちでやってきた人々の思いは同じだけど 信仰心の強さや貢献度に関わらず不意に訪れた神秘、それはまるで宝くじに当たったかのような感覚 あるいは諦めの境地に達した、欲深さからはかけ離れた人にウィンクする神さまの気まぐれにも映る。
この奇跡を目の当たりにした周囲の人々の中に渦巻くもやもやとしたグレーな内面と人間模様が 台詞に頼らず何気ない視線や表情、間(ま)で語られているところが好み。使われている楽曲が同じだったせいもあるけどちょっとロイアンダーソン作品と似た空気、フレンチアルプスぽいシュールさを感じる。あとジャケ写がもう好き。

身体の自由を取り戻した女性が再び逆戻りするのではないかと抱く不安や たとえ'健常者' に近づいてもままならない空虚な感情の迷子にも共感。正直アルジャーノンやレナードみたいになりそうで少し緊張してた。
ヒロインの介護につくバイト?修道女役のぴちぴちなレアさま、布に覆われてても相変わらずふてぶてしくて奔放なフェロモンが漏れ出ていて最後まで愛らしい。




以前 五島列島にある教会巡りでルルドの泉を訪れたことがあってあの神聖な雰囲気に癒されます。フランスの本家は映画で見る限りかなり観光地化された印象だったけどいつか訪れてみたい場所のひとつです
ゆうゆ

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