このレビューはネタバレを含みます
面白かった!
ほとんどが固定カメラで、いくつかの画角のロングショットと時々挿入される小道具のクローズアップというシンプルなカット割りで組み立てられていたが、シンメトリーの構図が決まっていたので画がもっていた。音楽もあいまって、終始シリアスで不穏な印象がついて回る映画だった。
その一方でジョークを織り交ぜた会話が軽妙であったり、軽快な音楽とともに早回しで崩れていく死体がどこか滑稽さをもっていたりと、不謹慎な軽さが下品になりすぎない程度にアクセントになっていると感じた。対称にこだわった映画で対称への言及がなされるのがメタ発言のようで面白かった。
話はよくわからなかったが、腐敗に魅入られた兄弟が自らも朽ちていき、記録さえ残らない、というラストは無常を感じさせて好き。