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ZOOのmのネタバレレビュー・内容・結末

ZOO(1985年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


とにかく豪華なセット。現代だったらこの案でお金を出してもらえなさそう。


物語はあるようなないような、
主筋から離れてみえるシーンが散乱している。哲学的思考。生命の誕生と死にとりつかれた双子。
萩尾望都の半神なんかにも出てくるが、双子というだけでも不思議なのに身体が繋がっていたというのはかなり変な気分になりそう。

そしてまさに運命論的に、二人は同時に妻を失い、そして妻の影を追いかけるかのように一人の女を分け合い、その死を見送る。
かれらは腐敗を記録できなかったのだろうと推測。そして自分たちの記録さえも撮れなかった、死をもってしても。

人間に人間の記録は不可能?
動物たちは自分や、他者を記録しようなど思わない。人間が記録したものも、ただの写真のコマ送りでしかない。
そうするとよっぽど、動物の死骸を食べてる虫たちの方が腐敗に参加しているし、彼らに死への過程を記録などする必要はないのかもしれない。

全部美しいシーンだったが、ロジック的な作品で心に何かが響くことはなかった。
美しさも詩的というより、策略に近いような美だった。理解するための道筋があるような。
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