仕事一筋の堅物社長の父親が、リハビリ先のイタリアで車の事故で命を落とした。訃報を聞いた息子のウェンデルが急いでイタリアへ行くと、父親には愛人がいて、愛人と一緒に死んでしまったと知る。ウェンデルは、父親の愛人の娘・パメラとも出会い、父たちを偲んで時を過ごすことに。
設定が見事。父親の泊まっていたホテルに泊まり、父親が予約していたディナーをパメラと共にする。しかも土日を挟んでいて誰も働いていないため、どうしようもできない。パメラと共に時間を過ごすうちに、2人の間にも恋が生まれる。
最後も、父は毎年夏に1ヶ月間、10年間泊まり続けていた、という設定が効いてくる。
脇役だったり、ちょっとしたシーンがおもしろの連続。冒頭の飛行機の、飛行機恐怖症のポープの振る舞いから、ホテルのオーナーの話し方、言い回しなども。後半、ウェンデルは裸でパメラとケンカするシーンや、アメリカからきた国防省の人がトラックでホテルの外観にフレームインしてくるところも間抜け。
他のビリー・ワイルダー作品に比べると、お話の展開がまあまあ、一直線な気がして、少し残念だった。