佐藤克巳

破れ太鼓の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

破れ太鼓(1949年製作の映画)
5.0
木下恵介監督の弟次男木下忠司が、父の鞄持ち長男森雅之がオルゴール会社設立で家から出て行き、長女小林トシ子が縁談を破談にし画家宇野重吉の下へ、妻村瀬幸子も森の手助けに飛び出す家族騒動の最後に、土建屋頑固親爺父阪東妻三郎に、「破れ太鼓」をピアノで弾きながら泣かせる台詞を吐く。倒産で落胆の阪妻は、カレーライスを食べながら過去の苦労を回顧すると家族から理解されない腹癒せに投げつけると、帰宅した森がそれを踏みつけ和み事業の相談役に就任するのだった。現代劇不慣れな阪妻を支えた村瀬幸子の母としての演技が卓抜していたのが成功の第一であり、女学校演劇部次女桂木洋子の愛らしさが作品を明るくしていた。
佐藤克巳

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