ストーリーはあってないようなもんなので、ただただジャッキーアクションを愉しむ90分間。よってアクションの瞬間最高風速は凄いもののドラマパートがダレるダレる。香港映画ってショートかなんならTikTokくらいで充分なんだよな
地上5mはあろうかという時計塔から落下してノーカットで「アイタタタ…」の表情まで収めるジャッキーってもう国宝。トムクルーズとはまた違った種類の『痛みを伴うハードアクション』の妙技。
そして「動けるデブ」サモハンキンポーの全盛期の仕上がりたるや！顔芸いけるゆるい体型がギュンギュン動いて敵を粉砕するコミカル&ハードなんでもござれのハイブリッド人材過ぎて、出るだけで画が面白くなるのは流石すぎる
しかしカレールーのように入れたら最後全部同じ味になるという諸刃の剣。たまに観るくらいで良いんだよね
ここまで筆をすすめて思うのが、本作然り香港映画はとにかく感想がキャストとアクションに依るということ。アクション俳優の人材に寄りかかった属人的商売スタイル、彼ら亡き後もショービズ界で香港映画文化は存続できるのか、一抹の不安を感じた。ジャッキー、サモハンに続く次なるスターとは？ジェットリーも良い年齢だし、あとはドニーイェンとか？それより若い俳優をパッと思いつかない。いずれにせよスター俳優たちのハリウッドへの流出(輸出？)は避けられないだろう。
木製の椅子をぶっ壊して、一斗缶でぶん殴って、頭ピヨピヨの敵を回転脚で吹っ飛ばす香港アクションが無くなってしまうのは実に惜しい。今後『プロジェクトA』のような作品は更に貴重な文化遺産となるのかもしれない。
