月影

追憶の月影のネタバレレビュー・内容・結末

追憶(1973年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画はビデオやDVDで何度も何度も観た。あらすじがわかっているのに観てしまう。それくらい好きな映画だ。

昔、淀川長治さんが「映画の中の暗示」ということをラジオでお話ししていたのだが、その暗示の場面がある。
最後の方にJJから「1番良かった年は?」と聞かれる場面がある。
それの答えをハベルは迷っていたが、ケイティと結婚して熱々の時期、映画スタジオに入っていく場面で「The best years of our lives 」(邦題「我等の生涯の最良の年」)の看板がかかっていた。だから答えはこの年。

それと、後半映画仲間が集まるパーティで聖母マリアが赤ん坊を抱いている絵が切り裂かれる場面があるが、あれも子どもが生まれるのに別れてしまう運命を暗示していると思う。

私は公開当時、ロバートレッドフォードのファンだった。「追憶」の彼は30代後半だったがめっちゃかっこよかった。その想いがケイティと重なって映画の中の彼に恋していた。
普通なら、出産直後の女性を捨てるなんて酷い話だ。ケイティは、その後多分結婚などしていないと思う。
しかし、恋愛というのは理屈ではどうにもならない。
ハベル役がロバートだから許してしまうのだ。

この映画に出てくる赤狩りだが、これを登場させた映画は珍しいとのこと。
赤狩りさえなければ、ハベルとケイティは別れなくてすんだのに、切ない。
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