ポチッとなあ

7月4日に生まれてのポチッとなあのレビュー・感想・評価

7月4日に生まれて(1989年製作の映画)
4.0
1989年公開。アメリカの小さな町で育ち、自由主義を守る戦争と信じてベトナムへ。大義などなく現地の人々を傷つける戦争。そして下半身不随の怪我を負い帰国。反戦運動、ベトナム帰還兵への冷たい対応、戦争のトラウマ、自堕落な生活、そしてそこから抜け出してゆく。
トム・クルーズの何をやっても一番になれない、ちょっと自信なさげなハイスクールの学生姿のなんと初々しいこと。当時27歳とは思えない。それが戦場を経験し、負傷し、不遇で自堕落な生活に浸ってゆく。その過程で見た目もどんどん大人へと変わってゆく。トム・クルーズがこの映画のために1年近く車いすで生活したというエピソードにかなり感激した。
ベトナム戦争はアメリカの勝利では終わらなかった。思い出したくない人も多いだろうが、当時の政府の姿勢、社会の雰囲気を、映画として社会に問いかけるアメリカはすごい国だと改めて思う145分。もちろん、未だに銃規制が進まず、戦場で使用するようなライフルを個人で所有し、ぶっ放すロクでなしを野放しにしている国でもある。