nagarebosi

7月4日に生まれてのnagarebosiのレビュー・感想・評価

7月4日に生まれて(1989年製作の映画)
4.0
映画って不思議ですね、最初に観たときと何年か後に観た時では全く印象や感じ方が変わるんですよね(音楽やTVドラマも同じでしょうけど)。
初めて観たのは18,9歳だったかな。それほど良いとは思わず、2度目はビデオで24,5歳頃。なんだ、単なる主人公の半生を押し付けがましく説教くさく作ってるな、と。ただ戦場の場面だけは凄かったなぐらいで。
今、観るととても良い作品でした。この監督はさすが元兵隊さんだけあって主人公たちの心情に寄り添うようで、とても優しい。
主人公の心の軌跡を丁寧に描いています。突然、半身不随になり今では考えられないほど不衛生な病院で人間扱いされず、故郷に帰れば反戦一色、そりゃ自暴自棄になりますよ。ああいう状況で「私は絶対にあんなことしません」って奴いたら、ウソでしょって疑いますよ。
トムクルーズがまた上手いんですよ。それと脇役、端役が今観るとけっこう豪華です。
全てを乗り越えて演説するシーンは感動的でした。こういうストーリーでも映画としてちゃんとエンターテイメントに作れるって、つくずくこの監督スゲーなあって思います。説教くさいですけどね。