健一

悪い男の健一のレビュー・感想・評価

悪い男(2001年製作の映画)
3.0
孤高なヤクザ、ハンギは街中にあるベンチに腰掛ける女子大生ソナに一目惚れする。
彼女は目もくれずに恋人の元に駆け寄るが ハンギは強引にソナの唇を奪う💋。
彼女から暴言を浴びるハンギだったが彼女をなんとかモノにしようとする。

キム・ギドク監督が 新型コロナウイルス感染症により59歳という若さでこの世を去りました。
世界三大映画祭を制し 韓国映画の底力を世界に知らしめた監督。
独特の世界観で常に映画に挑戦し続け 戦っていた監督。
事件を起こし映画界から去っていた時期もありましたが 自分自身を自分で撮る(監督する)という異色のドキュメンタリーを作り見事に復活。
日本が東日本大震災に見舞われた時には日本に渡って福島、東京にて撮影し 我々にエールを送ってくれた クセがあるにしても心優しい人でした。

私が初めてキム監督の作品を観たのは2001年の「魚と寝る女」。次が本国公開から3年後に日本にて公開された本作「悪い男」でした。
それ以降 今年公開された「人間の時間」まで全て劇場にて鑑賞しています。

ストレートな感情、恐ろしい程の胸糞の悪さ、剥き出しの愛、堕ちていく男と女。
当時 まだ韓国映画に免疫が少なかった私には信じられないほど衝撃を受けました。
戸惑いながらも病みつきになったのを今でも鮮明に覚えています。

ほぼ1年に1本のペースで映画を作り続けたキム監督。正直 当たりハズレ は激しいが、新作が公開されれば必ず劇場に足を運んでいた数少ない ご贔屓監督。
キム監督の作品がもう観れないなんて・・・
まだ とても受け入れられない。

心よりお悔やみを申し上げます。
短かったとはいえ壮絶な人生でしたでしょう。
ゆっくり眠ってください。



劇場公開時 2004年 3月
新宿武蔵野館 screen 2
💺84席
客入り ?
健一

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