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悪い男のtheocatsのレビュー・感想・評価

悪い男(2001年製作の映画)
3.6
ストーリーは街で見かけたある女子大生に目を奪われた地周りチンピラヤクザが策を弄してその女を売春婦に身落ちさせ、回り回ってロマンスが成就する??という物。

まず肌感覚的なリアリティがないものだからヤクザに対する怒りも女子大生に対する憐れみもそれほど湧きあがってはこない。
ただただ不思議な成り行きにどうなるのか集中させられてしまったという感じ。

監督がキム・ギドクだからと大いなる期待を持って見始めたが、本作品は彼のロマンチスト&ファンタジスタかつデモーニッシュでもある側面が複雑に織り合さり、理性で納得できないながらも心情の深い部分で微妙に共感できなくもない珍妙な世界観が構築されていたような印象は残る。

変な言い方にはなるが「地上における餓鬼畜生世界のおとぎ話」を覗き見たような不思議気分。そんな奇妙な感覚を味わわさせてくれたことに感謝。
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