昔、キム・ギドク作品を集中的に観ていた時期以来、2度目の鑑賞です。
究極の愛かぁ…
ヤクザのハンギ(チョ・ジェヒョン)は、一目惚れした花の女子大生ソナ(ソ・ウォン)を娼婦にまで落とす。それもこれも彼女を手に入れたい、或いはそばにいて欲しいという願望から。
騙されて娼婦に身をやつしたソナは徐々に寡黙なハンギに惹かれていく。惹かれるというか離れられなくなる。
自由になったのに結局戻るのだ。
ラストはトラックでの異動娼館を始めるシーンで終わる。なるほど、男に身体を売ってまでハンギと一緒にいたい…純粋無垢だった女をこうまでしてしまうハンギの愛こそが究極のものなのか。
いろんな愛があるのだね。
しかし、ソナは上品そうでいて、男に唾を吐いたり万引きしたりと、正直なところ素行は良くないよねと思ったよ。
そしてえらい寡黙でソナに一切手出ししないハンギは、おそらく性的なコンプレックスがあって、昔、多分喉も切られてる。それで声が出ない、出せないのだとわたしは考察する。(合ってるかぁ?)
悪い男であることには変わりはないけれど、なんというかふたりの、ふたりだけが通じ合っている感じは伝わった気がする。
キム・ギドク…ヘンテコな愛を描くのが上手いなあ。堂々とした愛ではなくて、どこか卑屈であったり、隠しておきたいような、路地裏のようにジメ〜ッとした愛。
よく分からないが、そんな感じ。
なかなかおもしろかった。
そしてハンギの不死身っぶりがすごい。