たおぱお

悪い男のたおぱおのレビュー・感想・評価

悪い男(2001年製作の映画)
2.5
10数年ぶりに鑑賞しました。
相変わらず、得体の知れない作品でした。

これを芸術と呼んで崇めて良いものか?キム・ギドク監督が賛否両論なのが理解できる作品でした。

こんなこと無いだろう?と思うような荒唐無稽な展開ですが、惨さのインパクトで心が揺さぶられ脳裏に焼き付く、そんな作品です。

昔観た記憶では、可憐な少女が騙されて人生狂わされる作品、と記憶していたのですが、今観たらそんなに可憐な少女でもなかったw

絡まれたチンピラに謝れと言って顔に唾をかけたり、本屋で気に入ったページだけ破って万引きしたり、財布ネコババトラブルに見舞われたときも、携帯電話ですぐに親や友人に相談できないって…とそういうところも、娼婦の素養というか堕ちていく姿に昔よりは説得力を感じました。

この女優さんがこの作品で引退してしまったというのが本当に残念です。
当時の韓国でこれだけの濡れ場を新人女優が演じたらそうなるでしょうねと思わざるを得ないのですが…鬼才と呼ばれる監督に食いものにされてしまった感が、作中のハンギに対する怒りと重なり、なんでこんな残酷なことが出来るのかと強烈な後味の悪さを残します。

この作品が成り立ったのは、この女優さんが群を抜いて美しく魅力的だったことも大きいとおもうんです。だからこそ、もっとこの子の作品をみてみたかったなぁという無念さが残りました。
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