キム・ギドク作品はストレートな恋愛感情など絶対に見せない。
どこか違った角度から恋愛の形を見せる。
いきなり目を付けた女性に強引なキスをし、そこから騙して売春婦にしてしまう。
さらにことに及んでいるところをマジックミラーで覗く行為。
やってることはストーカー以上の変態だが、嫌悪させるような部分は何もなく、むしろ一途な想いさえ見えてくる。
そしてこの男がとにかくしゃべらない。しゃべったのなんて多分二言三言。
だからこそ一途というか純粋というか。そういう言葉がこの寡黙な男に見えてくる。
単純に悪い男なんてタイトルをキム・ギドクが付けるわけはないと思っていたが、やはりひねくれた悪い男であった。
