尿道流れ者

悪い男の尿道流れ者のレビュー・感想・評価

悪い男(2001年製作の映画)
3.8
悪い男が一目惚れしたそこそこかわいい女の子を監禁し、純愛に目覚めていくという話みたいだが、この映画で表現される愛よりも女の子の生き方のほうがとても印象的だった。

生きる理由や目的なんて曖昧で、普段意識しているものではないし、一大事にすがるには少し心許ないものだったりする。そんなものだから、何か大きな流れに呑み込まれると、自分の意志や自分の考えてた存在理由なのてものは簡単に消え失せてしまう。それなのに、そんな状況に陥ると余計に自我を意識してしまう。大きな流れに反発しながら自分を確認し確立する、しかし大きな流れから外れるとまたそれも失ってしまう。
今に少し飽きていた主役の女の子は自分を剥き出して、そこにある意味をみたかっただけだった。エゴンシーレはその意味での象徴のようなもので。

何よりも天然のふりをしてとんでもないボケをぶっこむところが面白かった。驚きと笑いが同時にやってくるといった感じでなんとも独特で新鮮。つまらないところもあったけど全体として凄く好き。