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悪い男の1234のレビュー・感想・評価

悪い男(2001年製作の映画)
4.0
〝不器用だが、真っ直ぐな愛〟

韓国映画はあまり観ない。ハリウッド映画とフランス映画と昔の邦画と‥って観たいものがあり過ぎて韓国映画まで手を伸ばしていると時間が足りないのである。中途半端になるのも嫌だから。好き!ってなるとトコトン観ないと気が済まない性格なんですよ。で、観ましたよ。いやぁ〜、結論から言いますと観てよかったです、はい。内容どうこうよりも〝映画的表現による映画的な美しさ〟に度肝を抜かれた。というより惚れてしまった。たまたま新幹線で隣に座った人がタイプだった‥みたいな。品川で降りるのか東京駅なのかでドキドキするパターンですね。
陰鬱とした展開とは対照的に画面構成や色彩の美しさはフランス映画によく似ている。そして主役二人の演技。この2点がヨーロッパで賞賛される最大の理由であり、この映画の最大の魅力であるように思う。コントかよ!とツッコミたくなるとこは多々あるし、「21歳の大学生ならもっと冷静な判断できそうなもんだがなぁ〜」と多少(?)の違和感はあるものの、やはりいい映画というのはそんなチマチマした文句を言う隙を与えてくれないようだ。
ヤクザがね、こいつ等がまたいい奴でね。真っ直ぐなんですよ。そして皆判で押したように不器用(でも、あんなふざけたことばっかりしてたら普通組織にいられなくなる気がするのだが‥)。あと刺されすぎね。もうね、「焼き鳥屋か!」ってくらい。
不器用であるが故に生きづらさを感じたり、自分に自信が持てずに臆病になることは誰にでもあると思う。韓国や中国は階級意識が激しい為、そういった社会の生きづらさを象徴しているのかもしれない。婚活市場も非常にシビアだし。数cm身長が足りないだけでダメとか。恐ろしいことだ。
『女性軽視』『性倒錯症的関係』だと言われてもいた仕方ないような気もする本作だが、無条件に寄り添う二人の姿は「純粋な愛」であるように私には思えた。
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