To be, or not to be, that is the question.
ハンギは何を語るべきだったんだろう。
マジックミラー越しに愛する女性の落ちる様を眺め続ける彼の行動は自傷行為の一環のように思えるし、女子大生ソナのある種の共依存的な描写も見事だとは思う。
しかしそれであるならば全編を通してリアリスティックに描いてほしかったし、謎の安いファンタジー感は取り除くべきだったのではなかったか。
またソナが転落するきっかけについては彼女自身の落ち度があることもあいまって、まあしょうがないんじゃないのと納得してしまう部分もある。
キム・ギドク監督ここにありという作品だとは思うが、監督自身の赦しの視点が少々生ぬるく、生理的な気持ち悪さは感じた。もっと突き放して地獄を地獄のままに撮るべきだったのではないだろうか。
実は見終わったのは2週間ほど前で、レビューを今書いているのだけれど、最初は評価1だったのが現在では2.5ほどになっている。
思い出の中でこそ輝く作品なのかもしれない。