桃子

フランケンシュタインの逆襲の桃子のレビュー・感想・評価

4.1
「親友同士」

LOTRでサルマンを演じているクリストファー・リーがモンスターを演じている。この配役目当てで鑑賞した。この時、まだリーは無名だったそうだ。無名時代に悪役や汚れ役に出演するというのはよくあるパターンなのだろう。モンスターのビジュアルは、ボリス・カーロフとは全く違っていて、頭のてっぺんは平らではないし、首にボルトは刺さっていない。醜悪でグロい感じ。すごくイケている!!
ヴィクター・フランケンシュタイン男爵を演じているのはピーター・カッシングである。マスター・オブ・ホラーという称号があるのかー!!解説ページをチェックしてみた。
「ピーター・カッシングとクリストファー・リーはハマー作品以前の2本も含めて22本の映画で共演しており、多くのファンから怪奇の黄金コンビとして記憶されている。この関係はしばしば戦前のユニバーサル映画のホラー作品群におけるボリス・カーロフとベラ・ルゴシの関係と並び称されるが、カーロフとルゴシがライバル同士というイメージが強かったのに対し、カッシングとリーは息の合ったパートナー同士として認識されている。また私生活でも無二の親友であった事もよく知られている」
なるほど。親友同士であったわけか。俳優さん同士が仲がいいというのはほほえましいし、すごくいいことだと思う。妙なライバル意識がないというのは、精神衛生上も最高でしょ~(^^)
この映画のフランケンシュタイン男爵は、子供のころから性格がめっちゃ悪い。残忍で自己中で我儘でご都合主義。目的のためなら手段を選ばないので、平気で人殺しもしてしまう。男爵の家庭教師のポールが絵に描いたような善人なので、この対比が物語の軸になっている。最後に捕まって牢屋の中でようやく自分のしでかしたことが最悪だったと気付き、呼びつけた聖職者に告白する、という形をとっている。
原題は「The Curse of Frankenstein」で、邦題の「逆襲」って何?となる。当時のあるあるヘタレ邦題なのだけれど、識別のためにも大切なことだったんだろうと思う。他にいったいいくつの「フランケンシュタインの○○」があるのかわからないが、見られるものはみんな見てみたい気持ちになってしまう。やはりフランケンシュタイン博士が作りだした怪物って、魅力あるキャラなんだなあ。しみじみ… 
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