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金色の眼の女の一人旅のレビュー・感想・評価

金色の眼の女(1961年製作の映画)
3.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ジャン=ガブリエル・アルビコッコ監督作。

19世紀のフランス人作家:オノレ・ド・バルザックの中編小説集「十三人組物語」の中の1挿話「金色の眼の娘」を、『さすらいの青春』(66)のジャン=ガブリエル・アルビコッコが現代風にアレンジして映像化した作品です。

パリを舞台に、プレイボーイの写真家:アンリと彼と長年親交のある出版社の女経営者:エレオノール、そしてアンリの車に間違えて乗ってきた若く美しい娘の三者関係の行方を描いた“心理+恋愛ドラマ”となっています。

アンリとエレオノールの安定した関係性が、一人の若い娘の存在によって次第に掻き乱されていく様子を映し出した、愛と嫉妬と憎悪が水面下で激しく交錯していく心理ドラマで、男女間の異性愛のみならず女性同士の同性愛までをも匂わせた作劇が三者の関係をより一層歪化&複雑化しています。

モノクロの映像によるパリ中心地の風景美(中でも上方からパリ一帯を俯瞰するショットが格別の美しさ)や、『禁じられた遊び』(52)で音楽を担当したスペイン人ギタリスト:ナルシソ・イエペスによる哀感に満ちたメロディーが印象的でありますし、図らずも二人の男女を翻弄してしまう美しい娘を演じたマリー・ラフォレの凛とした美しさにも見惚れてしまいます。
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