愛鳥家ハチ

翼は心につけての愛鳥家ハチのレビュー・感想・評価

翼は心につけて(1978年製作の映画)
3.5
"いじめ"と呼称される犯罪行為が世間の問題意識を喚起している昨今、和光高校を目指して学び、懸命に生き抜いた1人の少女の実話を映画化した本作を、小学生の時分に鑑賞したことを思い出しました。10代で骨肉腫を患った主人公の少女の運命を思い、幼心に胸が締め付けられたことを記憶しています。

ーー共生
 なお本作では、国立映画アーカイブの情報によると、実際に和光学園も撮影協力をしているとのことです(注)。和光高校は障がい者と健常者が共に学び合える場として知られています。主人公のモデルとなった女性は、そうした和光高校の環境に魅力を感じ、入学を目指して勉学に励んだのでしょう。彼女は、障がい者と健常者の分け隔てのないインクルーシブな共生社会の到来を望んでいたに違いありません。そして、共生社会は"いじめ"という名の犯罪を許容しません。命の尊さに思いを致すと同時に、いまいちど「人間の尊厳」について考える必要があると思わされた次第です。

(注) http://nfad.nfaj.go.jp/det.php?mode=3&data_id=77673 (2021/07/19 閲覧)
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