ねこねここねこ

リボルバーのねこねここねこのネタバレレビュー・内容・結末

リボルバー(2005年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

なぜ題名がリボルバーなのだろう?

撮り溜めしてた録画を観たからか、最初これがジェイソン・ステイサムだと気づいたのは特徴的な声によるという…。若くて髪の毛長いと誰かわからないよね。「バトルフロント」みたいに途中からはスキンヘッドにして欲しかったよ。スキンヘッドの方が見慣れてるからなのか、安心。
で、これはジェイソン・ステイサムの痛快アクションなのかと期待したら大外れ。

マカ(レイ・リオッタ←この人はフィールドオブドリームズの映画で印象的ですね)に陥れられ、無実の罪で刑務所に7年も入っていたジェイク・グリーン(ジェイソン・ステイサム)
出所してマカのカジノに行き、大金を巻き上げて復讐を果たす。しかしその直後階段で失神。
一方マカは怒り狂ってジェイクの殺害を殺し屋のスリムとソーター(マーク・ストロング)に命じる。

最初にあれ?って思ったのは「エレベーターを使え」というメモ。そこから「お前は3日後に死ぬ」という二人組の詐欺師の出現。偉そうにしてる割に常にミスターグリーンと呼んでみたり、チグハグ。この二人組に完全に行動を支配されるのかと思いきや、常に頭の中で聞こえて来る声などもあり、そうでもない。
そして面食らったのは唐突に差し込まれるコミックシーン。これ必要なの??謎。

ところどころに出現するミスターミステリーなるサム・ゴールドという存在。絶対的な力を持ってるようなのに誰も姿を見たことがない。しかも途中それがグリーン自身だと「声」に言われたり。
また突然マカのベッドルームに出現したり、もはや訳がわからない。絶好の機会なのにマカを殺すことなくなぜか謝罪し、マカの名前で莫大な寄付をしたと伝えて部屋から出て行くジェイク。
パニックになるのかエレベーターは苦手なはずなのにエレベーターで降りるがなぜか13階で停まってしまう。しばらくして動き出し、1階に行くとほぼ全裸のマカが拳銃を構えていて「俺を怖れろ」と繰り返す。
その横を通り過ぎるジェイク。マカは撃たない。

翌朝、マカは訳がわからないまま、呆然としている。新聞には自分が寄付したという記事が一面に。気分を良くするマカ。
しかしマカは奪われた麻薬(パウダー=粉)に執着。


結局、サム・ゴールドも宿敵のマカも実はジェイク・グリーンそのものの別の顔。だから途中からはマカも頭の中の声で混乱したりしている。
もっと言えば、そもそもジェイクは刑務所から出てなどおらず、刑務所内で瀕死の状態、おそらく麻薬中毒者の成れの果ての、全てが妄想なのではないのか?というところに落ち着いてしまう。
だからマカの自殺で景色は真っ黒になり、そのままエンド。そしてこれはジェイクの死を意味するのだろう。
最後に自分の中の良心から寄付という善行を行い(妄想だけど)新聞の一面に載ったことでなんて気分がいいんだと感じ、その一方でやはり麻薬を欲しがっている。そう理解するのがしっくり来る。

ジェイクの兄とその娘はどうなんだろう?こっちはリアル?
ソーターは?
娘の髪を弄り、娘に父親の悲惨な姿を見せようとするマカの手下を次々と始末してゆくシーンだけはスカッとする。ソーターカッコいい!
けど死んじゃうんだよね😱💧
掌🫲をまるでキリストみたいに釘でテーブルに打ちつけられた兄とその娘はその後どうなるんだろうか?
マカも別の顔だとしたらなぜ兄を殺そうとするのか?そこもまた疑問だらけ。

やはり13階だの掌に打ち付けられた釘など随所にキリスト教の宗教観があるので、無宗教の自分にはなかなか深く理解できない。

とにかく、壮大なジェイクの妄想を映像化した作品として観るとようやくストンと腑に落ちるところもあるけど、それでもやはり謎だらけ。
難解なだけでなく、うーん?という点も多く評価は3未満。