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ジョニー・ハンサムの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ジョニー・ハンサム(1989年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
頭部に奇形を持つジョニーは周囲から奇異な目に晒されながら生きてきた。ジョニーは友人のマイキーの頼みで強盗に加担するが、仲間のレイフたちの裏切りにより、マイキーは殺されジョニーも刑務所へ送られる。刑務所内で囚人たちの暴行により重傷を負ったジョニーは医師のレッシャーから頭部の整形手術を勧められ、手術を受ける。

◆感想◆
頭部に奇形を持つジョニー(ミッキー・ローク)が整形して別人のように変わって生きていく姿を描いた作品であり、手術前の姿から手術後の劇的に変わった姿の落差やその中でジョニーの心の変わるところと変わらないところが興味をそそるストーリーとなっていました。

ジョニーは犯罪歴があり、荒んだ生活を送っていたようです。そして、親友のマイキーの頼みで強盗に加担します。マイキーとの関係を直接的に描いた部分は少ないですが、古びた写真にジョニーとマイキーが肩を組んで笑顔で写っていて、彼がジョニーに対して対等の友人であったことが感じられました。それ故に、ジョニーはマイキーを裏切り殺したレイフたちへの憎しみが手術後も変わらなかったのだと思います。

ジョニーは手術により端正な顔を手に入れます。しかし、前述のとおりレイフたちへの憎しみは変わらなかったので、復讐を図ります。もしもっと早くジョニーは手術をしていれば、もっと良い生き方ができたのかもしれないと思うととても悲しいストーリーでした。一方で顔で人を判断してしまう精神的な醜さが自分にもあることを知って暗い気分になりました。

本作ではドローンズ刑事(モーガン・フリーマン)がジョニーを犯罪者として終始、にらみを利かせており、手術後もジョニーをマークし続けます。観ている側にはジョニーの再出発を邪魔する悪役として存在しており、モーガン・フリーマンが愛嬌のある笑顔の裏で憎たらしいセリフを吐く姿がとても良かったです。

ラストは予想の範疇でしたが、とても切ない気分になりました。ジョニーにとって望んでいた人生がどんなものだったか考えてしまいました。

なかなか面白かったと思います。

鑑賞日:2023年12月30日
鑑賞方法:CS ザ・シネマ
(録画日:2023年3月27日)
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