グサグサって観客の感情をスクリーンの中から刺激しにくるんじゃなくて、グイグイって(第四の壁を壊すことで)自分の世界にポーンって放り込んでおいて、あとは放置。
さぁめくるめく喜劇、漫談をご拝聴あれって雰囲気なのに、最後はなんだかしんみりしてしまう。恋愛だからね。
ずーーっとしゃべってるシニカルなのに妙に的確な台詞、意味があるようでほとんどない。好きだなあ、意味なんか消失したままくっちゃべってる冗談。
メタフィクションでフレームもガン無視するし、あっちの時間軸とこっちの時間軸、あっちの人とこっちの人をがっちゃんとつなげてくる。滑らかに、でもホチキスみたいに。
悲しみも喜劇化して、自身のアイデンティティや思想さえもカリカチュア的に語り、冗談ばかり飛ばしているアルビーのような人そのものなんだろうな、ウディアレン。