まぴお

アニー・ホールのまぴおのレビュー・感想・評価

アニー・ホール(1977年製作の映画)
3.2
【愛のカタチってどんなカタチ?】

いやいや個性の強い作品だなぁ。正直、好き嫌い分かれると思う。
第4の壁超えたり突然アニメになったり本心が字幕になったり過去の回想に入り込んだり画面が分かれてそのまま二人の話が進んだりウディ・アレンがシニカルに映像を通して遊びまくってる。
台詞も洪水のように流れてきてその情報処理が追いつかないうちに次へと進み
既存の映画のルールをどんどん不意打ち的に壊していく。

そして改めて愛のカタチって人によって様々だなぁと考えさせられる。
そもそも愛のカタチなんていうけどカタチなんてないからね。
そんなカタチないものを説明しろっていうほうが難しいよね。
この映画のテーマ同様、恋愛にも万物に共通するルールなんてないからね。
ルールって少しずつ二人で作っていくものだからね。
そのお互いのルールに我慢できなくなった時破局って生まれる。

イケメンだから好きになるわけでない。誠実だから好きになるわけでない。
頼りない人でも好きになってしまうし容姿なんて好みじゃないのに気になるってこともある。
そこに出会う時期や環境なんかで好きになる条件なんてコロコロ変わってくる。
どうしてこの人じゃなきゃダメなんだろう?ってこんなことをこと細かく説明できる人はいるだろうか?

例えば今付き合ってる恋人がいるとしてその人の何か1つでも欠けたら好きでなくなるんだろうか?その範囲は?2個まで?3個まで?逆に何が欠けたら恋人の条件から外れるのだろうか?

とにかくそういった二人の恋人が出会ってから別れるまでを男の理屈と女の感情と男と女の自己主張を客観的に見苦しく素敵に描いている。
宇宙の膨張からプライドまで織り交ぜた彼のそういった人生哲学が好きな人にはオススメかもしれない。あとなんだろうこの手のやつって吹き替えで観た方がいいよね。
しかしウディ・アレンって遠くで生暖かく見てる分にはいいかもしれないけど
恋人として付き合うと不器用で面倒くさいタイプだよね。

521本目


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次回レビュー予告
ウッディ・アレンだけじゃない。
ルール破りの不器用な男の物語
【あっ、そうですか】
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