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アニー・ホールのFumiのレビュー・感想・評価

アニー・ホール(1977年製作の映画)
4.3
何年かぶりにみなおしたがやはり素晴らしい。ウディアレンの都会的な会話劇はそれに追随するものはたくさんあっても彼のような洗練されたものにはどうにも及ばないと思う。アレンとダイアンキートンは実際の恋人で別れた後(そして現在も)真の友人だったことを考えると頷ける。彼らの男女の枠を超えた信頼関係が画面の中からも伝わる。
ストーリーはあってないようなものだ。ある二人の男女が惹かれ合い、喧嘩したり寝たり遊んだりしていつのまにか別れる。ただそれだけ。ウィットに富んだ会話をしながらニューヨークの街を歩き続ける、ただそれだけがむしろ映画的だ。言い古されてすらいるが、やはり今見ても彼らのファッションやインテリアなどのセンスと品の良さも一級だ。アレンに関しては色々な謂れがあるが、朋友ダイアンキートンやその他多くの映画作家たちが今も彼の側に寄り添っていることを見ると事実はわからないと感じている、し、そんなことよりやはり彼の唯一無二の作家性だけは否定できない。
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