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巌窟の野獣のadeamのレビュー・感想・評価

巌窟の野獣(1939年製作の映画)
1.0
ヒッチコックが母国イギリスで最後に制作したアドベンチャースリラー。
叔母が営むジャマイカ亭を訪ねるとそこは海賊たちの巣窟だったことから争いに巻き込まれていく女性を描いた物語です。
英国を代表する名優であり製作者としても知られるチャールズ・ロートンの持ち込み企画だそうで、既にハリウッドでの活動に心は移っていたのかヒッチコックの演出にはキレが感じられません。
原作者は「レベッカ」や「鳥」と同じとあっておもしろくなりそうな設定ではあるものの、ストーリーは極めて平坦で、スリルもなければエモーショナルな場面にも欠けた盛り上がらない内容でした。
ヒッチコック作品唯一の出演であり、今作が映画デビューとなったモーリン・オハラは美しく撮られており、監督の関心はここにのみ向いていた印象でした。
それでも収益的には好調だったらしく、満を持して渡米するヒッチコックへの期待の高まりが反映されていたのかもしれません。
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