カラン

全然大丈夫のカランのレビュー・感想・評価

全然大丈夫(2007年製作の映画)
3.5
荒川良々がホラーマニアで、人生かけてお化け屋敷を作りたいと考えた。

蟹江敬三はその親父で、痴呆のような鬱のようなになってしまう、古本屋の店主。

岡田義徳は、荒川良々の幼馴染で、良い人ぶりっこだと上司に言われる。

木村佳乃は、異常な不器用さで、負のオーラを出しながら、パステルで絵を描く。

他、、、


「☆5でもかまわない!」というのが一緒に観た嫁の評価。まあ、そこそこ面白かった。木村佳乃がティッシュの箱を震える手でハサミを使って開けようとするところは怖かった。また、ちくわを投げつけてココリコが一生懸命に直した古壺を破壊した一瞬も怖かった。が、、、どうだかねえ。

誰も気にしないのかな。

この映像は純正の24pじゃない。それが始終気になった。劇場公開用の映画はサイレント時代以降、ずっと24pである。テレビ放送や演劇やライブコンサートの動画は30iというのか60iというのかが大半である。映画としての映画と、それ以外のほぼ全ての動画の違いを数字や記号でなく一言で説明すると、ぬらぬら動くかどうか。

(注)
これは、家庭で観ているものが実は監督の企図した通りの映画ではない、という問題です。送り出し側の問題で、おそらくフィルマの皆さんが利用しているアマプラやネトフリや、さらにはWOWOW等も、劇場で公開されているのとはレートも方式も違うのでご注意ください。これらを劇場と同じフレームレートにするには、重畳分をコマ抜きできる専用の機能を持つ再生機が必要です。

話がそれだが、本作はデジタルビデオカメラで撮った動画のような質感である。結果としてそうなった(=映画館では普通の映画であったがDVD用にテレシネしたら変質した)のか、元来動画に擬態した擬似的な映画であった(が、DVDにテレシネする際にフォーマットだけ映画になった)のかは、不明である。前者と予想する。不詳だが、とにかく、純粋な映画とただの動画のあいのこである。

こう書いている今、リビングのテレビで嫁が『スターマン/愛・宇宙はるかに』をU-NEXTで観ている。ぬるぬる。存在しないはずのコマが重畳した映像は、断言するが、監督が狙った映像ではない。何百、何千とレビューを書いているがこの問題をご存知ない御仁たちは映画について騙っているだけ。本当は違いが分からない。実際、こんなことは新しい技術の問題などではないのである。昔のアナログレコードで逆相で録音されているので音がリスナーに飛んでこず、逆に退いていってしまうものが、メジャーなもので沢山ある。エンジニアが知らなかったからである、プラスとマイナスをどちらに繋げるのかが何をもたらすのかを。映画の再生も、同じたぐいの無知のせいで、危機にある。


レンタルDVD。55円宅配GEO、20分の19。
カラン

カラン