manami

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのmanamiのレビュー・感想・評価

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キューバ音楽の大御所アーティスト達を追いかけるドキュメンタリー、らしい。キューバ音楽なんて何も知らないからなんだかよく分からないまま観てたけど、途中で聞き覚えのある曲も出てきて「これ、キューバのだったのかー」って軽く感動できる。
でも知識なしでもかっこよさってのは伝わるもんだね。ぱっと見はただの(もしくはちょい派手めな)おじちゃんおばちゃんなのに、マイクや楽器を前にするといっきにムードを醸し出してくる。歌声の、演奏する姿の、なんとも艶っぽいことよ。
ライブシーンでの明度を抑えた映像も素敵ね。とてもヴィムヴェンダースらしいし、音楽の鮮やかさが逆説的に強調されている。あの場にいたら間違いなく踊っちゃうわ〜。
それにしても「彼女の揺れる尻に興奮するチャン・チャン」とか、ろうそく消さないで寝たら火事になったとか、かっこつけてるけどなんちゅー歌詞だ。でもそんなんも、あのリズムで演られるとやけにしっくりきちゃう不思議。
ライブやレコーディング風景の合間にはアーティスト達のへのインタビューも入り、それぞれの半生が語られる。1900年代生まれ、ほぼ1世紀にもなる人生は人類そしてキューバ激動の時代とも重なり、カメラ前で語っているよりもさらに深い苦しみがあったであろうことは想像に難くない。キューバ、建物の外壁には「私たちは夢を信じる」という言葉。異国のステージ上、誇らしげに掲げる国旗。

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