千年女優

いまを生きるの千年女優のレビュー・感想・評価

いまを生きる(1989年製作の映画)
4.0
アイビー・リーグに多くの卒業生を輩出する全寮制の名門高校ウェルトン・アカデミーへと赴任してきた、同校OBで英語教師のジョン・キーティング。厳格な規則や指導に親からの大き過ぎる期待と抑圧を感じる男子高生達が、型破りで自由な指導をモットーとするキーティングの考えに少しずつ感化されていく様を描いた学園ドラマ映画です。

アカデミー賞監督賞の常連ノミニーであるピーター・ウィアーがロビン・ウィリアムズを主演にして制作した、かけがえのない輝ける思春期を過ごす少年たちを描いた1989年公開の青春映画で、紋切型のほかの大人たちとは異なるキーティングの「Carpe Diem(いまを生きろ)」という言葉が、少年達の青春に豊かな彩りと潤いを加えていきます。

クライマックスで訪れるある展開はやや劇的に過ぎるところもありますが、自らの意思や言葉を持たずにいた内気な少年がキーティングの教えの通りに今を生きる、つまりは自らの意思を持って、さらにはそれを意志として貫こうとする様に胸を打たれます。子供だけではなく大人も含めて多くの人の心に響く、物語の力強さを感じる一作です。
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