景

いまを生きるの景のネタバレレビュー・内容・結末

いまを生きる(1989年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

歌詞ならともかく詩にはあまり興味がないし、キーティング先生の型破りな言動も「ロビン・ウィリアムが演じる」という時点で予想できたキャラクターそのままで、正直私にはそこまで刺さりはしなかった(ただ、ロビン・ウィリアムは名優だなと改めて実感はした)。生徒も掘り下げはあまりされてないし、ニールですら芝居に関わる展開が唐突に動き出したりする。それでもニール自殺後からは見入ってしまったし、最後のキーティングと生徒たちとの別れには泣けちゃったなやっぱり。

ニールが死んだのは両親からの抑圧によるものだけど、学校に調査を依頼するということは、両親は自分のせいだと思ってないんですよね。ここが本当に胸糞悪い。罪を自覚してるけど他人に責任を押し付けようと考えている可能性もなくはないけど、あの封建主義の塊のような父親なら素で気づかないのではないかなと。それほどにニールと父親との間(そして子供たちと学校との間)には根深い溝があり、ニールが死んでもそれが少しも埋まらず、むしろ浮き彫りになってしまっただけで終わったのが残酷でした。

お気に入りのキャラクターはチャーリーで、チャーリーが女の子を "死せる詩人の会" の洞窟に連れ込んだりなど余計なことをするシーンは「だる!」て思ったけど、校長先生の前で受話器を差し出すという、怖いもの知らずなところは笑ってしまった。美味しいキャラクターだと思う。

ところでトッドはイーサン・ホークスに似てるなと思ったらご本人だった。そしてニールはジム・キャリーに似てるなと思ったら別人だった。
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