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女王蜂と大学の竜のbrianのレビュー・感想・評価

女王蜂と大学の竜(1960年製作の映画)
3.7
ヤクザ同士の縄張り争いを描いた任侠映画。

終戦直後の日本が舞台。昔懐かしいオート三輪が紺色の車体を場面ごとに登場させている。
怪しい東南アジア系の外国人、金と権力でモノを言う日本人。敗戦国ニッポンの治安の乱れを露呈している。
そんな中で仁義を貫くカタギの人々が悪の組織と闘っていく図式である。
後の東映任侠映画に見られるような男同士の争いとは違う側面を持つ。表題の女王蜂からわかるように、男を打ち負かす女の存在がクローズアップされているのだ。女任侠映画と言っても過言ではないだろう。
主人公の三原葉子姐さんはアラカン先生演じる組長の娘として気丈に振る舞う姿が凛々しく美しい。諸肌を脱ぐと胸の谷間が見えて艶めかしい。"ヴァンプ"に相応しい女優さんだ。

監督は"モダニスト"石井輝男。シビアな任侠の世界を描きながらもユーモアを取り入れて作品に硬軟をつけている。「三べん回ってワンと言え」はおそらく彼が考えた台詞だろう。思わず笑ってしまった。
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