はっぴー68

ガメラ2 レギオン襲来のはっぴー68のレビュー・感想・評価

ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)
4.6
今回の敵、宇宙生物レギオンについて、形態の特徴や行動を科学的に解明して、対策を立てる展開が良かったです。同時に登場人物のキャラクターを描き、脅威の連続で観るものを飽きさせない。脚本が良いです。
脚本家の伊藤和典さんは本作についてこんなコメントをしています。"登場人物全員にプロフェッショナルであってほしい、というような思いがあるんですよ。だから、帯津も電信のプロなんです。プロが危機的状況下で、がんばってプロの仕事をするというのは、それだけでカッコイイじゃないですか"。「シン・ゴジラ」もそうでしたが、こういうのは良いですね。この帯津さんは頼り甲斐がありそうな顔をしていませんが、ヒロインの穂波さんから仕事仲間として信頼されています。帯津さんが穂波さんのお父さんから無言の圧力を受けるところも面白かったです。
特撮も一作目よりさらに力が入っています。一作目は特にCG部分がかなりチープなところがありましたが、かなり改善されています。もちろん、30年近く前(1996年)の作品なので、映像技術が最近の作品に劣っているのは当然です。しかし、作り込まれた精巧なミニチュアも着ぐるみ怪獣も私は大好きです。仙台のビルが崩れるシーンでは窓の中に逃げ遅れた人がいるのが見えます。これは「空の大怪獣ラドン」(1956年)と同様、鏡を使ったアナログな手法で撮影されたようです。
また、前作同様、自衛隊の協力を得て、戦車、特殊車両、トラック、オートバイ、戦闘機、ヘリコプターの実物を撮影しているので、ミニチュアやCGだけでは出せないリアリティを画面に出せていると思います。
私個人的には、一作目のインパクトが強く大好きなのですが、改めて観てみると、この2作目も面白いです。映画としての出来はこっちの方が良いかもしれないと思います。
(はじめのほうの電車のシーンがちょっとスプラッタなのでそこだけ苦手です。)

※2024/04/26 20:00〜 2週間限定でYouTubeで公開中。