とり

ガメラ2 レギオン襲来のとりのレビュー・感想・評価

ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)
4.3
怪獣映画の良さがギュウギュウに詰まっていて見応えがあって面白かった!
特撮映画はやっぱりいいですね~。ミニチュアとわかるんだけど、CGとは違った確かな実在感があって好きです。紛れもなく本物の破壊。火薬の量も凄かった。
怪獣も着ぐるみ最高としか言えない。美麗で本物と見分けがつかないCGクリーチャーもいいけど、着ぐるみの生々しい動きは目が離せない不思議な魅力があります。
巨大な怪獣対決も建物群の向こうに立たせる横からのアングルがいっぱいあって大満足。ビルを踏みつけ破壊しまくる巨大演出、もはや様式美です。

怪獣映画というだけでなく、パニック面での演出も素晴らしかったです。
地下鉄シーン最高すぎないですか。ちょっとクローネンバーグを感じる。
日常から非日常への切り替わり、そこからの自衛隊の展開がコンパクトながらもスムーズで緊迫感がすごい。不穏な空気感の表現はかなりのものです。住民たちの避難シーンも極めて日本らしい。

水野美紀を主役に据えることで怖すぎる雰囲気が緩和されているので、ちびっ子たちも心置きなく楽しめる作りですね。
どう考えても絶望的な状況なのに、どこに行ってもミニスカートでホンワカ。眉間に皺を寄せる自衛隊員たちとの対比。絶妙なバランスで成り立ってます。
シリーズ通して出演のセガールの娘、藤谷文子さんも神秘的な存在感が上手くマッチ。
物言わぬ怪獣たちとは対照的に人間ドラマというか、映画には出ないような背景設定がきちんと作られてるのがわかります。

最終決戦は思ってたよりあっけなかったけど、あくまでも主役は怪獣たち。自衛隊の主張しすぎない立ち位置の演出も納得です。強いぞガメラ。
金子監督のインタビュー映像もかなり良かった。影響を受けたものとか裏話とか聞けるの、ほんといいですよね。
当時の空気感(特に自衛隊の扱い)を絡めた撮影秘話はとても貴重。やはり映画というのは時代を反映していて、その時代だからこそ生まれる芸術なのだと感じ入ります。
単純に楽しく鑑賞するのもいいけど、やはり時代背景を知った上で映画を観続けたいものです。
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