Hilary

手紙のHilaryのネタバレレビュー・内容・結末

手紙(2006年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

人間臭さ溢れる、涙なしには見られない映画です。

物語前半の主人公は、兄がしたことは犯罪ではあるが兄は犯罪者ではない、と思っていたような印象を受けます。

しかし物語が進むにつれ、兄は犯罪者であり自分は犯罪者の弟だと、嫌というほど世間に思い知らされる描写が何とも表現し難い哀しさでした。

社長令嬢と別れるシーンでお金を受け取った時には、本当にあれでよかったのかと疑問を抱きました。
しかしきっと主人公はお金を受け取りたかったのではなく、彼女が目覚めた後に諦めをさせるためとった行動なのではと気づきました。
主人公は自分の心を殺し、自己犠牲を厭わずに時には他のことを想った選択をするのだと。
しかしそれも護りたいものができた時に変わるわけですが。

兄の真面目で健気な姿を知っているからこそ、クライマックスは涙なしには見られませんでした。
少なくとも私には最後の手紙を受けて反省した上で、面会ではなくとも会いにきてくれたこと、今までかけた迷惑とそれに対する謝罪や後悔など、全てひっくるめて懺悔しているように見えました。
実際のところ兄はどういう感情だったのだろう。。

苦悩や葛藤、後悔や反省、懺悔。色々と考えさせられる映画でした。


初めはストーカーか!美人でも流石に恐怖!って思っていた沢尻エリカも、最後までいつも寄り添ってくれる重要な人でした。じりじりとか呼んでごめんなさい