KnightsofOdessa

パッションのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

パッション(1982年製作の映画)
3.5
[] 70点

1982年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ずっと誰かが呼ばれてて、ずっと誰かが追われてて、毎回誰かが車に轢かれかけてて、ずっと会話が一方通行という治安の悪い映画撮影現場の話。口の動きと音声が明らかにズレてるので、余計にカオス。どうしてもホテル支配人の愛人を主役にしたい監督が彼女を説得しながら、現場では"光が気に入らない!"という抽象的な指示だけで撮影を止め続ける。終盤でハンナ・シグラが監督に上着を返しに来たあたりの光の感じ、実は監督が求めてたやつなのでは?同じシーンで、ミシェル・ピコリが、闇の中から薔薇だけ出して登場というカッコよさパネェす。労働と快楽は一緒!だって動きがセックスと一緒じゃん!とユペールは言うが、働きたい少女は処女だし、働きたくない監督は女たらしなので寧ろその逆では。MVPはもちろんバレリーナのウェイトレス!彼女だけは全ての治安の悪さから外れている。なにせ王女様ですから!次点でステヴナン。出資者を車にぶちこむ長回しでは華麗な身のこなしで大活躍。変人がよく似合うわ。
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