KOUSAKA

パッションのKOUSAKAのネタバレレビュー・内容・結末

パッション(1982年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ザ・シネマメンバーズにて鑑賞。

『勝手に逃げろ/人生』と同じく、青空を映すショットからスタート。飛行機雲が映されるところが違う点。そういえば『右側に気をつけろ』でも、青空のシーンが印象的に使われていましたね。

「絵画」という歴史のある偉大な芸術に対して「映画」という新しい芸術形態がどこまで闘えるのか、真っ向から挑むという内容。

とにかく「光」に納得がいかず、NGを連発し続ける映画監督ジェルジーがすごい。友達にはなりたくないし、一緒に仕事もしたくないけど🤣芸術家として映画人として揺るぎない信念を持って闘い続ける姿はリスペクトできます。

今作ではイザベル・ユペールがショートヘアで登場!!胸が躍りました。工場で働く女子。前半、車の運転席にいるジェルジーに労働者集会に参加するよう説得するくだりで、逆光で映るイザベルがハーモニカを吹くシーンで早くも昇天しました。カッコよすぎるやろ、このシーン!!

全編通じて「愛と労働の違い」というキーワードが頻出します。
「労働は愛に似ている」「労働は愛から来るの?」「労働は愛へと至る」
分かるような分からないような・・。勉強します!!

ラストで、車が嫌いな女性に対して「これは車じゃなくて魔法の絨毯だよ」と言ったら、女性が躊躇なく車に乗り込むシーンが、イマジネーション(芸術)の勝利を感じさせてすごく良かった。

結局、絵画に「敗北」した形になりましたが、よくよく考えたら冒頭のあの「青空を捉えた映像」だけは、飛行機雲が今まさに生み出されているというダイナミズムを捉えているという意味で、唯一絵画に「勝利」しているように思います👏
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