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キッスで殺せ!のsonozyのレビュー・感想・評価

キッスで殺せ!(1955年製作の映画)
4.5
ミッキー・スピレインの探偵小説マイク・ハマーシリーズの同名作『Kiss Me Deadly(燃える接吻)』をベースにしたロバート・アルドリッチ監督によるカルト・ノワール。

深夜の道路を素肌にトレンチコートの女が裸足で走るシーンの反復。
荒い息遣いの彼女は走ってきたオープンカーを無理矢理止め、運転する男に呆れられつつ、乗せてもらう。
寡黙な男、女の息遣い、ナット・キング・コール♪、上から流れるクレジットという完璧なオープニング。

男は離婚訴訟専門の私立探偵マイク・ハマー。
女は無理矢理入れさせられた精神病院から脱走したというクリスティーナ。彼女は「バス停に着いたらすべて忘れて。着かなかったら私を覚えていて」と告げるが、途中、突然3人の男たちに襲われ、拷問を受けた後、二人はマイクの車に乗せられたまま谷底へ落とされる。

病院のベッドで目覚めたマイクは一命をとりとめるが、クリスティーナは死亡。
マイクが連邦政府の聴取を受けたことから、クリスティーナが重要な何かを握っていたと踏み、助手のヴェルダと共に事件の真相を探り始める。

クリスティーナのルームメイトだったリリーという女を探し出し、更に様々な人物が浮かび上がっては命を落とし、マイクも危険をかわしながら、クリスティーナが隠し持っていたあるものを手に入れる・・

そしてパット警部がマイクに伝える3つのキーワード。(この意味を知ると本作の意図が分かるというもの)

オープニングからラストまでの引き込みが上手い!
ゴダール、トリュフォー、タランティーノ、デヴィッド・リンチ等に影響を与えたというのも納得です。
※ラストシーンが2種類あり、DVDには特典として別verも収録されてます。

ラストでリリーがマイクに"Kiss Me"と繰り返すシーンがありますが、マイクは、出会った女性がすぐにキスをしてくれるというおトクなキャラ設定で(笑)、助手のヴェルダとも恋人関係です。
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