Uえい

キッスで殺せ!のUえいのレビュー・感想・評価

キッスで殺せ!(1955年製作の映画)
3.5
少し前に「シュガー」というドラマを見始め、フィルム・ノワールに心酔した主人公が出てきて、いいタイミングなのでこのジャンルの作品を幾つか見る事にした。本作はタイトルだけ知っていて、アルドリッチ監督の作品も初めてだった。

冒頭から心を掴まれる。私立探偵のマイクが夜道を車で走っていると、何処かから逃げてきた女性クリスティーナがいた。匿ってあげたが、謎の男達に襲われ、彼女は死亡、マイクは入院先で目を覚ました。スターウォーズの様なタイトルクレジットがカッコ良すぎる。

目を覚ましたマイクは、クリスティーナが逃げた理由が気になり、調査を始める。謎の男の接触を頼りに、彼女のルームメイトなどを訪ねていき、エベロと言われる裏社会のボスに辿り着き、脅される。翌日、車に爆弾が仕掛けられ、マイクは益々調査にのめり込む。車の修理工ニックが愉快ないいキャラで、ババブーンという台詞が耳に残る。

そして、クリスティーナはある箱を隠していたために殺されたことが分かる。その後、ニックが殺され、秘書のヴェルダも誘拐され、マイクも誘拐される。そこには箱と、犯人がいた。犯人の仲間割れの結果、箱を開けてしまい、ある結末を迎える。

冷戦時代に作られたからなのか、核や放射線への未知の恐怖が描かれていて新鮮だった。今みると描写へのツッコミどころはあるけど、AIへの漠然とした恐怖と比べると、感覚が理解できた。

また、独特な構図が多く、カッコよくて印象的なショットが多かった。見下ろす様なショットや、少し斜めに傾けた様な構図が目を引いた。
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