斜めに撮る構図やローアングルなど、視覚的に優れた美しい作品であり、1.66 : 1というアスペクト比も特徴的。
この作品がさまざまな映画監督に影響を与えたことが見て取れる。バーで女性が歌っているシーンはデイヴィッド・リンチ監督のBlue Velvetの歌唱シーンそのものだし、冒頭のドライブシーンは同監督のMulholland Dr. そして、トランクから溢れ出る光はクエンティン・タランティーノ監督のPulp Fictionが思い出される。
奇妙で印象に残るコールドオープンとエンディングだった。どちらも象徴的だった。この作品がみせる官能性や堕落さ加減、暴力が何処と無くシュールで観るものに不安感を与えているように感じる。とてもアバンギャルドで今までに観たことのない類の映画だった。それにしてもあんなにも誰かを殴る探偵は初めて見た。va-va-voom!
