主人公が小説を執筆する姿を描きながら、その小説の中身が映画の中で描写される。なかなか面白いメタ構造の映画です。ストップモーションを用いた実験的な映像もあったりと、なかなか尖った映画ですね。
その中で昭和30年代の平均的なサラリーマンの姿が描かれるのですが、彼らは戦争を体験してきており、そのルサンチマンを抱えているところも興味深いところです(こういう人たちが日本の高度成長期を担ったもだな)。とは言え、終盤で酔っ払った小林桂樹がさんざん長口舌を続けるところは「これは何を聞かされてるんだろう」と閉口してしまいました。
そういえば、桜井浩子と二瓶正也が共演しているところは、見て得した感がありましたね(「ウルトラマン」の3年前!)