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エルミタージュ幻想のごーのレビュー・感想・評価

エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)
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2002年のロシア映画。前情報無しに鑑賞。
随分長回しだなーと思ってたけどそれがずっと続いて、まさかの1カット!?と気づいてからはそればかり気になって観る。
気になるところが多すぎて鑑賞後パンフレットを購入した。
以下、気になった点とパンフレットから対応する記述の要約。

フィルムっぽいんだけどフィルムって90分も連続で撮れるものなのか?
→フィルムでは最長12分までしか撮影できず、ドイツの技術でビデオを使用した。おそらく編集後にフィルムにし、上映はフィルムで行われているはず。

カメラの後ろにスタッフがいるはずだけどその人達映ったりしないか?それをさせない為にカメラの移動がゆっくりなのかも。
→スタッフ達は映り込んでしまう可能性を考慮し、王朝風の衣装を身につけて本番に臨んだ。

当時はアナログからデジタルへの過渡期だったと思うんだけどデジタル技術は使われているのか?最後のシーンはデジタルじゃないと不可能そうだけど、、、。
→デジタル機器は使用した。

部屋と部屋の移動で不自然な繋がりが無いか?
何度かのオーケストラの演奏とかダンスとか衛兵の儀式とかあるんだけどこれ全部マジで1カットで撮ったのか?
→実際に美術館の中を、連続して、演奏も演技も全部90分間1カットで1発撮りした。部屋と部屋の移動の際に暫くドアを映していたり絵画だけを映すシーンがあったりしたのでその間にスタッフの移動やら必要な動きをしていたものと思われる。

カメラマンの存在が映り込みや足音などで入ってきていないか?
→これについては特に記述はなかったけど観ている限りカメラマンの存在は気づかなかった。カメラマンは90分の撮影に備えてひたすらジムで体力作りに励んだそう。

1カットに関するところ以外では、やっぱり最後の舞踏会のシーンが圧巻で、劇中で演奏が終わって拍手が起こった時にはつい自分も拍手しそうになってしまった。
あとカメラが階段を後ろ向きに降りるシーンがあるんだけど、あれやっぱり後ろにアシスタントいないと無理だよな、とか。
ペルシャの外交使節が謁見するシーン、軍人の列のあまり広くない間隔をカメラが通るのだけど、その程度の大きさのカメラだったんだな、とか。

当時の技術と撮影方法を考えるととんでもないことをやってのけてるので、機会があれば観ることをお勧めする作品。
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