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大魔神怒るのtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

大魔神怒る(1966年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

山にかこまれた貧国が鉄砲や火薬を手にした事で過信し隣国にせめいる。平和を祈る暗く哀しい戦争映画である。派手な合戦シーンがないかわりに鉄砲や火薬で戦争の残酷さを濃縮している。また魔神も破壊神というよりクールな暗殺者っぽい。軍の上層部の戦争責任者だけをねらう。いちいちそれらをころす殺し方が美的でこっている。神の島がまるで西洋の古城のような不気味さ。廃墟感下水道空間感でゴシックさがはんぱない。全体的に悪者のほうが陽性で正義側がどこか陰気。ともすると戦争相手が運わるく悪魔信仰国家でそれにひっかかってしまったというかんじで悪者に同情さえしてしまいそう。十字架に磔で火あぶりってのもどこか魔女裁判とかキリシタン狩りってかんじだし。監督の異様な美学で三部作中もっとも異色。
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