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大魔神怒るのTSのレビュー・感想・評価

大魔神怒る(1966年製作の映画)
3.2
【海の神としての大魔神】72点
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監督:三隅研次
製作国:日本
ジャンル:時代劇・特撮
収録時間:79分
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一作目とほぼ同じことをしてるのに憎めない作品。相変わらず大魔神が終盤に大暴れし、悪者を成敗するという任侠劇なのですが、やはりこの時期の特撮はどう撮影されたのかという着眼点でもみてしまい興味深いです。モーセの十戒のオマージュもありますし、ある意味挑戦的な映画であっだと言えそうです。

戦国時代、八雲の国は隣国の武将に滅ぼされてしまい、領主たちは海に浮かぶ神の島に移動する。そこぬ守護神の武神像があったのだが。。

前作の大魔神は山の守護神でありましたが今作では海の守護神と位置づけられています。従って水に関する描写が多く、大魔神が湖から現れるシーン、転覆する小舟などの描写には創意工夫がされています。一作目の方が破壊シーンが多いと感じましたが、水の描写で苦労したと思われるので致し方ないでしょう。

結局山の神にしろ海の神にしろ、古来日本人にとって守護神というのは心の拠り所であったということが如実にわかります。科学が発達した今、神に縋るということをしない人が増えてきていますが、戦国時代の時なんていつ死ぬかわからない状態。家を出たらすぐに殺されてしまうかもしれない時代。今日も生きながらえますようにと、地元の守護神に手を合わせたことでしょう。

単なるアクション特撮映画ではなく、当時の人々の宗教観も垣間見れる映画であると思われました。やっぱり大魔神の形相は恐ろしいですね。
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