ShintaroMurata

KYOKOのShintaroMurataのレビュー・感想・評価

KYOKO(1996年製作の映画)
4.2
確かに村上龍には監督しての才能がない。しかし『KYOKO』の脚本はそれなりの代物だ。

エスタ申請をせずにLAに行こうとして成田で拘束されたり、チャイニーズシアター前で「写真を撮らせて!」と言い寄ってきた外国人に30ドルボラれたり。
バカみたいな失敗でハリウッドの夢と現実のギャップに苦しんだ俺からすれば、単身NYに向かい、そこで自動車まで運転してしまう高岡早紀がどこか輝いて見える。

監督だけ別の人がやれば、ご都合主義のオンパレードを活かしたロマンティックな映画になっていたとは思う。
だが、高岡以外が全員外国人というキャスティングを見る限り、「日本人が外国に行けばこんな印象だよな」と異国に降り立った日本人の感覚で観ることができた。

村上龍監督作品では『KYOKO』が一番完成度が高いのかもしれない。
ちなみに字幕翻訳は戸田奈津子。
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